弁護士ブログ

2015.09.16更新

リフォーム代を請求されたけど

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。

 今まで住んでいた住居を引っ越す際、トラブルになりがちなのが、原状回復に関することです。「リフォーム代やクロスの張替代を請求されたけど、支払わなければならないの?」というご相談をいただくことがあります。そこで、今回は、賃借人の原状回復義務についてご説明いたします。

 

原状回復の考え方

 このようなトラブルは比較的多く、国土交通省により「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(以下「ガイドライン」といいます。)が制定されています。それによると、建物の損耗部分について、以下のように分類をしています。

 ①―A 建物・設備等の自然的な劣化・損耗等等(経年劣化)
 ①―B 賃借人の通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)
 ②   賃借人の故意、過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような
 使用による損耗等

 ガイドラインでは、上記のうち⓶についてのみ、賃借人が原状回復義務を負うのが原則であるとされています。したがって、の入居者を確保する目的で行う設備の交換、化粧直しなどのリフォームについ
ては経年劣化又は通常損耗として賃貸人が負担すべきとされています。

 具体的な事情にもよりますが、クロスを全面張り替えたなどの場合は、次の入居者を確保するためで場合が多く、賃借人がクロスの張替代を支払う必要はないといえます。

 

通常損耗も借主が原状回復義務を負うと契約書にあるけれど

 賃貸借契約の内容によっては、上記①の部分も賃借人が原状回復義務を負うと定めているものがあります。このような契約も有効なのでしょうか。

(1) 最高裁の判例

 この点については、最判平成17年12月16日の判例があります。この判例では、以下のように判断しています。
 「賃借人に同義務(通常損耗部分の原状回復義務)が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項に具体的に明記されているか、仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約が明確に合意されていることが必要である。」

(2) 実際の例

 実際の裁判例や経験からすると、訴訟になったときは、以下のような点を検討して、上記最高裁の要件を満たしているか判断されているようです。

 ① 通常損耗の場合でも費用を負担することが明確に合意されているか

 

 ② どのような損耗状態が発生したときにこの特約の基準により補修・修繕を行うことになるのか明確に規定されているか

 

 ③ 補修工事の具体的範囲、方法、程度等について定めがあり、賃借人が負担することになる通常損耗の範囲が一義的に明白であるか

 

 ④ 特約の内容が通常損耗以外の損耗について定められたものと解釈する余地があるか

 以上のように、実際の例では、かなり厳格に要件の認定がされています。賃借人が上記①の部分について原状回復義務を負う場合はかなり限られているといえるでしょう。

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.09.13更新

起業したいけど、まずは何をしたらいいの

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。

 起業をしたいと思ったけれど、何から始めたらいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。企業をするからには、従業員を雇わなければなりません。従業員との間でルールを定める就業規則を適切に作成しておくことをお勧めします。

 

就業規則は必ず作成しなければならないの?

 起業をされる方とお話をすると、「もう少し会社が軌道に乗ってからでもいいのではないか」と考えている人が多くいます。しかし、一定の場合には、就業規則を作成することが義務付けられている場合があります。

 それは、常時10人以上の労働者を使用する事業場には、事業場毎に就業規則を定めなければなりません。これに違反した場合は、30万円以下の罰金が定められています。

 例えば、飲食店を経営しようとした場合、アルバイトを含めて10人以上の従業員を雇う場合は、作成が義務付けられているのです。

 

就業規則には何を記載しなければならないの?

 就業規則には、必ず記載しなければならない事項と、会社として制度を設けている場合は記載しなければならない事項があります。

(1) 絶対に記載しなければならない事項

    絶対に記載が必要なのは、以下の事項です。

    始業、就業時間、休憩に関する事項

    休日、休暇に関するこ事項

    賃金の決定、計算及び支払い方法に関する事項

    賃金の締め切り及び支払の時期に関する事項

    昇給に関する事項

    退職に関する事項

 

(2) 制度を定めた場合には記載しなければならない事項

    制度を定めた場合に記載しなければならない事項は以下の通りです。

    臨時の賃金・最低賃金額等に関する事項
    表彰・制裁に関する事項

 

就業規則作成の手続きは?

 就業規則の作成は、以下のような手続きを経る必要があります。必要な書類をそろえて、労働基準監督署へ届け出る必要がありますので、詳細が知りたい方は、弁護士木村幸一までご相談ください。

 ① 必要的記載事項を含む就業規則を書面により作成
 ② 過半数代表者からの意見聴取→意見書作成
 ③ ②の意見書を添付して所轄の労働基準監督署長へ届出
 ④ 事業場に掲示または備え付けるなどの方法により周知。

 

就業規則作成のメリットは?

 10人以上の従業員を雇わない場合は、就業規則を作成する義務はありません。しかし、就業規則を作成することには、メリットがあります。

 それは、就業規則の内容が合理的でかつ従業員に周知されている場合、就業規則に記載されている内容が個別の労働契約の内容となるということです。そのため、労働契約書の内容が簡略化できます。

 例えば、従業員が何か不祥事を起こした場合に、減給や解雇をしたいという場合、就業規則を作成して周知していれば、個別の労働契約書に記載しておく必要がないのです。

 

就業規則の作成は専門家にお任せください

 就業規則は、非常に多くの記載が必要ですし、内容も複雑です。ご自身で作成をしようとすると、相当な時間がかかります。就業規則の内容の検討に時間を使うより、今後の営業活動等に時間を使っていただいた方が、会社として、はるかにメリットがあります。弁護士木村幸一は、会社の実情をお伺いしながら、会社にぴったりの就業規則を作成いたします。就業規則の作成に悩んだら、弁護士木村幸一までご相談ください。

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.09.06更新

物損ですんだのはよかったけれど

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。

 交通事故について、物損の損害賠償額はどのように計算されるのでしょうか。「怪我がなかったのはよかったけど、修理費はどう計算されるの」「新車で買ったばかりなので、修理ではなくて新車に買い替えてもらいたい」というご相談をよくいただきます。

 そこで、今回は、交通事故の物損についてまとめてみました。

 

原則は修理費

 損害賠償の基本的な考え方は、現実に被った損害を回復させるというものです。そのため、修理が相当な場合、適正修理費相当額が損害賠償額となります。たとえ、修理していなくても、また、今後も修理する可能性がなかったとしても、現実に損害を被っている以上は、適正修理費相当額が損害賠償額となります。

 一方で、事故とは無関係な傷を修理しても、その修理部分については、損害賠償を請求することはできません。それは、現実に被った損害を回復させるという趣旨に反するからです。

 

買替差額

 物理的全損、経済的全損及び本質的構造部分が重大な損傷を受けるなど、買い替えをするのが社会通念上相当な場合には、買替差額が認められる場合があります。

 買替差額とは、事故時の時価相当額及び買替諸費用の合計から、事故車の時価相当額の差額を損害賠償額とすることです。ここでいう事故時の時価相当額は、事故車両と同一の車種・年式・型、同程度の使用状態・走行距離等の車両を中古車市場において取得することを前提としています。裁判例では、レッドブックを参照することが多いようです。また、買替諸費用としては、自動車取得税、消費税及び各種手数料が考慮されるのが一般的です。

 

評価損

 日本の場合、事故歴がつくことによって自動車の価値が下がると考えるのが一般的です。そのため、「事故歴がついてしまうので、修理してもらっただけでは納得ができない」と思う人がおおいようです。

 この点については、評価損というものが認められる場合があります。評価損とは、修理しても外観や機能に欠陥を生じる場合、または事故歴により商品価値の下落が見込まれる場合に、修理費にプラスして損害額が認められることがあります。 評価損については、日本自動車査定協会というところが、査定をしてくれます。

 実際の裁判例では、修理費の2割から4割程度を評価損として認める場合があるようです。評価損が認められるかどうかは、実際の事故の内容等により判断がわかれます。

 

まとめ

 以上の通り、物損の場合は、原則は修理費相当額が認められ、場合によっては、評価損がプラスされます。そのため、いくら100:0の事故だからといって、保険会社に新車を要求しても認められるものではありません。

 実際の保険会社との交渉では、修理費が適正か、評価損は認められるか、評価損の金額はどの程度かなど、様々なことが問題になります。少しでも疑問や不安があれば、お早めに弁護士木村幸一までご相談ください。

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投稿者: 弁護士 木村幸一

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