弁護士ブログ

2015.10.26更新

管理職の残業代

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。管理職には残業代を支払わないと言われた、管理職になったから残業代がなくなったといったお話をよく耳にします。この扱いは本当に正しいのでしょうか。今回は、管理職の残業代についてです。

 

支払い義務がない場合

 管理職に対して残業代を支払う義務がない場合は、厳格に規定されています。法律上の「管理監督者」に該当しなければ、管理職であっても残業代は支払わなくてはいけません。

 「管理監督者」に該当するか否かは、以下のようなポイントをもとに判断されます。

①経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮監督権限があること

②自己の出退勤などの労働時間について裁量権があること

③他の従業員と比べて、賃金上の処遇があること

 

裁判例ではなかなか認められていません

 裁判例では、以上のポイントをもとに、「管理監督者」に該当するかが判断されます。そのため、管理職になったからといって、残業代が支払われなくなるわけではありません。上記のポイントが自室的に判断されることになります。

 今までの裁判例や経験からすると、「管理監督者」に該当する場合はごく少数に限られているように思います。

 

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.10.23更新

更新料を請求されたけれど

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。

 「更新料を請求されているけど、支払わないといけないの?」というご相談をよくいただきます。今日はこの点についてご説明したいと思います。更新料が問題となるケースは、借地の場合と借家の場合とあります。

 

借地の更新料について

 借地の更新料については、更新料の支払いをする合意があったか否かにより判断されることが多くあります。

(1) 契約書に記載がある場合

 契約書に更新料を支払う旨の記載がある場合、更新料を支払う合意があったと認められるのが一般的です。そのため、更新料を支払わなければなりません。

(2) 契約書に記載がない場合

 契約書に更新料を支払う旨の記載がない場合、更新料を支払う合意はないと認められるのが一般的です。そのため、更新料を支払う必要はありません。

 ただし、契約書に記載がなかったとしても、今までの更新の状況から、更新料を支払う合意があったと認められる場合があります。例えば、複数回更新が繰り返されており、その都度、更新料を支払っていたような場合です。

(3) 商慣習

 契約書に更新料を支払う旨の記載がなかったとしても、更新料を支払う商慣習があるとして、地主が更新料を請求してくる場合もあります。このような場合はどうなのでしょうか。

 東京地裁平成25年5月15日付判決では、他の賃借人の事情を合わせて判断し、そのような商慣習は存在しないと判断しています。そのため、更新料の請求は認められていません。

(4) まとめ

 以上のように、更新料を支払う旨が契約書に記載されていない場合は、更新料を支払う義務はないと考えられます。

 

借家の更新料について

(1) 契約書に記載がある場合

 借家の場合、契約書に更新料を支払う旨の記載があったとしても、更新料を支払わなくてもよい場合があります。それは、更新料の合意が無効と判断される場合があるからです。

 平成23年7月15日最高裁判例は借地の更新料が問題となった判例です。同最高裁は、賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、無効とはならない旨の判断をしました。

 つまり、更新料が無効となるのは、①契約書に一義的かつ具体的に記載されていない場合、②上記基準に照らして高額に過ぎる場合と考えられます。

 大阪高裁平成24年7月27日付判決では、賃料の3.12か月分に相当する更新料は、無効でない旨の判断をしています。

(2) 契約書に記載がない場合

 契約書に記載がない場合は、借地の場合と同様と考えられます。

 

不安な方はご相談を

 更新料の支払い義務については、以上の通り、最高裁の判例や裁判例も多数あります。具体的な内容により判断が分かれることもあります。ご不安な方は、お早めに弁護士木村幸一までご相談ください。

 

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.10.21更新

調停ってなに?

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。今回は、遺産分割調停で何をするのか記事にしたいと思います。

 調停とは、裁判所を挟んで話し合いにより合意を目指す手続きです。調停では、男女一人ずつの調停委員と裁判官の三人で、調停員会を構成します。具体的な調停の際は、調停委員の二人に対して、こちらの希望を伝えます。その内容を調停委員から相手方に伝えます。また、相手方からも希望を調停員に申し出て、その内容を調停委員から聞くことになります。

 このように、調停委員を間に挟んで、話し合いにより合意を目指すのが、調停の手続きです。

 

具体的にどんなことを話し合うの?

 では、遺産分割調停では、どのような内容を決めていくのでしょうか。遺産分割については、決めなければならないことが多く、おおむね、以下の順序で決めていくことが一般的です。

(1)相続人の範囲

 まずは、誰が相続人となるのか、相続人の範囲を確認します。

 遺産分割は、相続人全員で行わなければ無効になってしまいます。そのため、一番最初に、誰が相続人となるのか確認をしなければなりません。

 一般的には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍により相続人の範囲を確定します。そのため、遺産分割調停の申し立てにあたって、被相続人の戸籍を提出することになるのです。

 

(2)遺産の範囲

 次に、被相続人の遺産の範囲について決めていきます。どの財産が被相続人の財産として遺産になるのか、相続人の間で争いがあれば、話し合いの基礎が成り立ちません。そのため、遺産の範囲を決めていきます。

 特に争いになるのが、相続人の一人が被相続人の預貯金を引き出しているような場合です。遺産の範囲について合意が得られない場合、調停の手続きの中では決めることができません。そのため、別途、遺産確認の訴えという訴訟を提起しなければなりません。

 

(3)遺産の評価

 遺産の範囲が決まった後は、遺産をいくらと評価するのかを決めていきます。例えば、不動産の価格をいくらと評価するのか、未公開株式がある場合にいくらと評価するのかを決めていきます。

 不動産の場合、争いがなければ、固定資産評価証明書の金額をもとに決めることが多くあります。しかし、賃貸不動産の場合、時価が固定資産評価証明書より高い場合があります。その際は、鑑定をすることもあります。

 また、未公開株式の場合は、出資金額を基準に価格を評価することがあります。

 

(4)特別受益、寄与分

 被相続人から生計の資本として贈与を受けていたり、被相続人の遺産の形成に特別な寄与をしていた場合は、遺産分割に当たって考慮されることがあります。

 これらの点については、別途、記事を改めてご説明したいと思います。

 

(5)遺産の分割方法

 以上の点を決めたうえで、どの遺産をどの相続人が取得するのかを決めていきます。例えば、一人の相続人が遺産をすべて相続したうえで、代償金としてお金で調整することもあります。

 

お早めにご相談ください。

 以上のように、遺産分割調停では、決めることが多くあります。特に、相続人間では、感情的な対立が激しくなる場合が多く、適切なアドバイスのもとに調停を行わないと、なかなかまとまりません。

 遺産分割調停についてお悩みの方は、お早めに弁護士木村幸一までご相談ください。

 

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.10.19更新

調停を提起しましょう

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。前回は、もめてない遺産分割について記事にしました。では、当事者間の話し合いでは遺産分割がまとまらないときはどうすればいいのでしょうか。たとえば、遺産の分け方に争いがある、遺産の範囲に争いがあり、話し合いがまとまらないことは多くあります。

 そんなときは、家庭裁判所に調停を提起することになります。そこで、今回は、調停を提起するためには、どのような書類が必要になるのか、お伝えしたいと思います。

 

必要な書類はなに?

 まず、調停を提起するためには、家庭裁判所に様々な書類を提出する必要があります。

(1)申立書類

 遺産分割調停を提起するためには、以下のような書類をそ作成するのが一般的です。

 ・遺産分割申立書

 ・当事者目録

 ・遺産目録

 ・相続関係図

(2)身分関係の資料

 また、上記の書類のほかに、身分関係について明らかにするため、以下のような資料を添付するのが一般的です。

 ・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍

 ・相続人全員の現在の戸籍

 ・被相続人の住民票除票

 ・相続人全員の住民票

(3)遺産の内容によって必要になるもの

 遺産の内容によっては、以下のような資料を添付することになるのが一般的です。各裁判所によって運用が異なっていたりしますので、詳しくはお問い合わせください。

 ・不動産の登記簿謄本

 ・固定資産税評価証明書

 ・預貯金の通帳の写し

 ・株式の預かり証

 ・自動車の登録事項証明書

 

お気軽にご相談ください

 調停を提起するためには、以上のような書類をそろえることになります。特に、戸籍関係はご自身でそろえるのは手間暇がかかります。

 調停の提起「について不安がある方は、弁護士木村幸一までお気軽にご相談ください。

 

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.10.11更新

特にもめてるわけじゃないけれど

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。今回は、遺産分割について書きたいと思います。多くの方は一度は経験する遺産分割。特にもとめているわけじゃないけれど、何をどうしたらいいのか全く分からないという方も多いと思います。

 ここでは、そんな方たちのために、最低限必要な手続きについて解説します。

 

まずは遺産分割協議書の作成を

 遺産分割協議書は、不動産の移転登記、銀行口座の解約など、様々な場面で必要になります。そのため、遺産分割協議書の作成は必須です。

 遺産分割協議書の内容としては、誰がどの遺産を取得するのか明確に記載しておく必要があります。例えば、○○銀行○○支店の口座は誰が取得するなど、特定する必要があります。土地の場合は、所在、地番、地目、地積で特定し、建物の場合は、所在、家屋番号、種類、構造、床面積で特定します。

 遺産分割協議書は、相続人全員が署名・押印をする必要がありますが、その際は、実印で押印する必要があります。

 

不動産登記手続

 遺産分割協議書の作成が終わったら、土地や建物などの不動産登記の移転手続きを行う必要があります。その際、被相続人の出生から死亡までの戸籍を法務局に提出することになります。そのため、早めに戸籍を取得しておくとよいでしょう。

 法務局に提出する書類としては、戸籍、遺産分割協議書のほか、不動産を相続する方の住民票、固定資産評価証明書が必要になります。

 固定資産評価証明書は、都税事務所もしくは各市町村の役場に行けば取得できます。その際、相続人であることを証明する必要があるので、戸籍を持って行くとスムーズだと思います。

 法務局に提出する書面の作成については、一般的なひな形が以下のURLから取得できますので、ご活用ください。この中に、遺産分割協議書の書き方もありますので、参考にしてみてください。

 http://www.moj.go.jp/content/000123426.pdf

 

預貯金の解約

 次に、各金融機関で、預貯金の名義変更もしくは解約をする必要があります。この手続きについては、各金融機関により必要書類が異なります。そのため、各金融機関の窓口まで直接相談に行くとよいでしょう。

 その際、被相続人の出生から死亡までの戸籍、遺産分割協議書を持って行くとスムーズに話が進むと思います。また、金融機関によっては、通帳及びキャッシュカードの提出を求められる場合もあります。併せて持参するとよいでしょう。

 

それでも手続きが面倒な方は

 以上の手続きで、被相続人の不動産の移転や預貯金の解約を行うことができます。それでも、書類の作成は時間がかかりますし、金融機関は平日の15時までしか開いていません。お仕事をされている方はなかなか時間が取れないのが普通でしょう。

 弁護士木村幸一は、以上のような手続きも代行して行っています。手数料としては、10万円(消費税抜き)~行っていますので、お気軽にご相談ください。

 

 

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.10.09更新

従業員へお金を貸そうと思うのだけど

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。今回は、会社と従業員との間にあるトラブルについてです。業務に必要な資格を取得させるために、従業員にお金を貸し付けている会社をよく見かけます。その際、一定期間働いた場合は返済を免除するけど、途中で退職する場合は全額の返還を求める合意を結んだりしていませんか。

 このような合意を結んだ場合もそうですが、従業員にお金を貸す場合はよく注意する必要があります。

 

何が問題なの?

 労働基準法16条には「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めてあります。この規定は、従業員を不当に拘束し、強制的に働かせることを防止する趣旨で定められています。

 途中退職する場合に全額返還を求める合意を結んだ場合、労働基準法16条に定める「違約金」もしくは「損害賠償の予定」と認定されてしまう可能性があるのです。その場合は、労働基準法16条に違反するとして、貸し付けたお金の返還を求めることができなくなってしまいます。

 

裁判例について

 (1) 事案の内容

 大阪高裁平成22年4月22日判決がこの点について争われた裁判例です。

 タクシー会社が従業員に対して、教習所の授業料及び交通費を貸し付け、金銭消費貸借契約を締結しました。その合意内容として、800日業務した場合、返済義務を免除する特約が盛り込まれています。 ある従業員が、800日業務する前に退職したため、会社が、従業員に対して、貸金返還請求訴訟を提起した事案です。

 これに対して、従業員が、労働基準法16条に違反して無効であると争った事案です。

 

(2) 判決内容

 裁判所は、2種免許の取得は従業員の固有の資格になり、従業員の利益になること、従業員もある程度納得しており、これらの費用を消費貸借の目的とすることも許されることなどを理由に、労働基準法16条に違反しないと判断しました。

 

解説

 上記の裁判例は、労働契約法16条に違反したいと判断しました。これとは反対に、東京地裁平成26年8月14日判決は、労働者の自由意思に反して労働を強制する不当な拘束手段であり、労働契約法16条に違反すると判断しています。

 判断が大きく分かれたのは、貸し付けの目的にあると思われます。そのため、従業員にお金を貸す場合、適切に消費貸借契約書を作成し、労働者を不当に拘束する目的ではないことを明確にしておく必要があります。

 後々の紛争を予防し、また、紛争を有利に解決するためにも、契約書の作成は非常に重要です。契約書の作成にお困りな方は弁護士木村幸一までご相談ください。

 

 

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.10.07更新

突然暴行を受けたのだけど

 みなさんこんにちは。府中の弁護士木村幸一です。今回は、突然暴行を受けたときの慰謝料について記事にしたいと思います。駅のホームで突然酔っ払いに殴られた、積極の仕事中に突然お客さんから殴られたなど、様々なトラブルに巻き込まれることがあります。

 今回は、暴行を受けた場合の慰謝料について、裁判例をもとにご紹介いたします。

 

裁判例(東京簡裁平成16年10月19日)

(1) 事案の概要

 被害者は、加害者にライターをとられたので、ライターを取り戻そうとしたところ、酔っていた加害者が被害者を押し倒して馬乗りになり、被害者の顔面を手拳で複数回殴打した。その結果、被害者は入院等を要する加療約4週間の傷害を負った。

 

(2)傷害の程度

 鼻骨骨折 顔面挫創 右眼球打撲 左結膜下出血 頭部打撲

 左上眼瞼に1ミリ×10ミリの傷跡が残る。

 鼻骨左頬部に0.5ミリ×10ミリの傷跡が残る。

 

(3)慰謝料 合計41万8999円

 ア 入通院慰謝料 16万8999円

  ・入院 1日 1万6000円×9日間=14万4000円

  ・通院 1日   8333円×3日間=2万4999円

 

 イ その他慰謝料 25万円

 前記傷跡が残ったことを加味して 25万円

 

解説

 前記裁判例では、傷跡が残ったことと入通院の慰謝料を分けて認定しています。ただし、裁判例の内容をよく検討すると、傷跡が残っていなかったとしても、入通院慰謝料以外にも一定程度の慰謝料は認められていたと思われます。

 私の経験では、暴行・傷害容疑の刑事事件で示談をする際、30万円から50万円の間で示談がまとまることが多いように思います。

 もちろん、傷害の程度により慰謝料額は変動します。また、被害者は、慰謝料以外にも、治療費等を請求することができます。

 実際には、暴行の程度・傷害の程度・後遺症の有無により、大きく慰謝料額は変動しますので、気になる方は、弁護士木村幸一までお問い合わせください。

 お問い合わせはこちら

 

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投稿者: 弁護士 木村幸一

2015.10.04更新

評価損ってなに?

 こんにちは。府中の弁護士木村幸一です。今回は、以前に説明した評価損について、さらに詳しくご説明したいと思います。

 評価損とは、一般に、事故当時の車両価格と修理後の車両価格の差額のことを言います。たとえば、事故当時の車両価格が150万円、修理後の車両価格が100万円の場合、評価損は50万円ということになります。

 

評価損は賠償してもらえるの?

 一般的には、評価損は、修理しても外観や機能に欠陥を生じ、または事故歴により商品価値の下落が見込まれる場合に、賠償してもらえると言われています。この点について、以下、学説の状況や裁判例を以下で説明したいと覆います。

(1) 評価損の分類 

 評価損については、①技術上の評価損と②取引上の評価損の二種類に分類されます。

 技術上の評価損とは、修理によっても技術上の限界等から機能や外観に回復できない欠陥が存在する場合の損害のことを言います。

 取引上の評価損とは、事故歴があるという理由で当該車両の交換価値が下落する場合の損害のことをいいます。

 これらのうち、①技術上の評価損については、賠償するべきであるということで、学説も判例もほぼ一致しています。

 

(2) 学説の状況

 学説では、大きく分けて否定説と肯定説に分かれています。

 ① 否定説(評価損は賠償されないとする説)

  否定説は、評価損について、以下のように考えています。

  ア 事故後も車両を使用し続ける場合、評価損が現実化しない。

  イ 買い替えを認めたのと同一の利益を被害者に与えることになる。

 

 ② 肯定説

  肯定説は、評価損について以下のように考えています。

  ア 中古車市場の価格が事故にあっていない車両よりも減価される。

  イ 修理後も隠れた損傷があるかもしれないとの懸念が残る。

  ウ 交換価値の低下を積極損害とみることができる。

  エ 事故時に交換価値の減少が発生したといえる。

 

(3) 裁判例の状況

 裁判例は、評価損を否定したものも肯定したものも多数あります。そのため、裁判例が評価損を肯定しているのか、否定しているのかは、不明瞭です。

①否定例 名古屋地裁平成12年6月23日

  「原告車両に修理後も回復できない損傷があるとは認められないから、原告車両に本件事故による格落ち損があるとは認められない。」

 

②肯定例 京都地裁平成12年11月21日

 「原告者について、事故歴ないし修理歴のあることにより商品価値の下落が見込まれることは否定できず、、、、(中略)、、、、修理費用のおよそ2割に相当する30万円をもって評価損と認めるのが相当である。

 

まとめ

 以上の通り、評価損については肯定例も否定例もあります。そのため、実際の事故の内容や修理の状況により左右されます。ご心配な方は、赤坂見附の弁護士木村幸一までご相談ください。

 

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投稿者: 弁護士 木村幸一

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